学園案内

ごあいさつ

聖パウロ学園とは

理事長 堀井 芳彦

 私たち聖パウロ学園では、カトリックの教えの中心を成す「愛」を、園児・生徒の成長にあわせ、日常生活のなかで具体的にどのように実践していくか理解していくことを教育活動の柱としています。
 すなわち、教育の三つの原則、「知育・徳育・体育」のなかにあって、徳育をその中心に据えています。徳のある人が知識を増やし高め、世のため人のためになる「愛」を実践することこそが重要であると位置づけています。
 また、建学の理念を、「地の塩、世の光」となる人材を育てることとし、「愛と正義と責任ある自由」を身につけた人材の育成を図ります。
 幼稚園児、中学生、高校生、と様々な年代の子供たちではありますが、一人ひとりは無限の可能性を持っています。
 その子供たちの学びに火をつけ、「学びたい」「知りたい」「調べたい」という強い意欲を持つことによって、主体的な「学び」で重要な「問題発見力」や「実践力」の育成にまでつながり、考え方や物の見方、自らの行動までが変わる教育を行います。
 また、ものすごい勢いで社会が大きく変化し、価値観が多様化する中において時代が変わっても変えるべきものと変えてはならないものがあります。
 まず、変えるべきものとして、生成AI時代の到来によって人の仕事は定型的作業から創造性と協同、価値判断に基づく仕事へと変容していきます。その時代を生き抜けるクリエイテイブな発想ができる園児・生徒の育成に努めてまいります。
 一方、変えてはならないものとして、カトリック学校である本学園各校の毎日の学校生活は、祈りに始まり、祈りに終わります。中学校・高等学校では、カトリックの教えに基づいた週1回のスクールアワー〔道徳教育・宗教教育〕と年間2回のミサによって情操教育を行い、「人の痛み」のわかる人になれるよう育成しています。
 そして、年代に応じた様々な学び合いの中から「対話」を大切にし、互いに認め合い、新しい自分を見つけ出し、自分を磨き、社会にでても他者を支えることのできる人間を育てたいと考えています。
 創立以来、今日に至るまで、“光泉カトリック”は多くの方々に温かく支えられてきました。心より感謝申しあげます。今後とも、本学園の教育活動へのご理解とご協力をよろしくお願いします。

聖パウロ学園について

学園長 馬場 勲

 聖パウロ学園は、1988年(昭和63年)4月に、京都司教区司祭ペトロ山田右神父(1933~2017年)が設立した学校法人です。神父は、上智大学神学部を卒業し、61年に司祭叙階を受け、その後、京都、三重、滋賀の各府県の教会で司祭を務めたのち、68年から5年間アメリカのフォーダム大学に留学し教育学博士号を修得しました。
 建学の思いは、35年にアメリカのメリノール宣教会から派遣され、初代京都司教区司教になられたバーン神父が、「滋賀の地に、カトリック学校を創立したい」という計画に基づいたものでした。山田神父は、留学から帰国後大津に赴任した機会に、バーン神父と地元信徒の思いを受け継ぎ、現在の地に中高一貫校の創設を決意、88年4月、聖パウロ学園光泉中学校・高等学校を開校しました。
  聖パウロ学園建学の理念は、「地の塩、世の光(マタイ福音書)」、「愛と正義と責任ある自由」であり、その理念に基づいて3つの教育目標を定めています。「カトリックの教えに基づく人格形成」、「学力の伸長による進路の保障」、「創造性豊かな国際人の育成」です。
 本校は、キリスト教の福音の教えを基にして、利他の心と愛の心を育み素晴らしい人間に成長して欲しいと願って教育に当たっています。また一方、希望進路を実現するための学力をつける充実した教育、国際交流など国際化に対応していける多岐にわたる充実した教育を行っています。
 今の社会は、技術革新、国際化、情報化、少子高齢化などに影響を受け、社会の在り方が多様化、不確実化しています。同時に価値観の変化や社会秩序の乱れが大きな問題となり、生徒たちの行動や考えにも影響が及んでいます。これからの生徒たちには、今まで以上に社会の変化に対応して力強く生き抜いていくための学びが求められています。
 フランスの思想家ルソー(1712~78年)は著書「エミール」で、「われわれはいわば二度生まれる。一度は存在するため、二度めは生きるために」と述べています。第一の誕生は「この世に生きるため」に、第二の誕生は「青年期の自我が芽生える時」のことを言っています。
 精神年齢の発達から見て、中学生の時期は成年前期、高校生の時期は成年中期から後期、生徒たちは、自分自身を深く考えて自我を確立していく時期に当たります。それは、これからの人生の準備をする猶予期間であり、何よりも自分の生き方、善悪の判断、価値観を学び、「知育・徳育・体育」を身に着けて目指す将来の進路を実現していく大切な時期なのです。
 生徒たちは、勉学だけでなく体育系・文科系の部活動でも県代表として全国で活躍しており、文武両道でも誇れる学園です。
 聖パウロ学園では、キリスト教的福音を理解して、正しく強く生き抜くことができる生徒たちを、教職員が力を合わせて育てています。

光泉カトリック中学校・高校の教育について

理事・校長 桂 幸生

 本校は、カトリックの教えに基づく人格の形成を図り、高校では希望大学に進学できる学力を養い、中学では高校大学での学びを支える深く考え抜く力と表現力を養うことに力を入れています。教育目標に掲げる人格の形成・進路の実現・豊かな国際性を備えるために教育内容を充実させ、キリスト教的価値観に基づきグローバルな世界で活躍できる人の育成を図っています。
 人格の形成では、キリスト教の教えである「愛」を理解し心に醸成できるよう、宗教教育やカトリックの教えを学ぶスクールアワーを実施し、命あるものと接する機会として農業体験を行っています。
 進路の実現では、学年に応じたキャリア教育を実施し、志望大学に合格できる学力が授業で身に付く個別カリキュラムを有した5つのコースを設置して、効率的に学ぶことができます。ネイティブ教員による All Englishの授業を通して高度な英語のコミュニケーション力を養うプログラムや卒業後に公務員を目指すプログラムも設けています。放課後には演習を取り入れた課外講習を行い、さらなる学力の向上に努めています。
 豊かな国際性を養う面では、正課授業と課外講習の両面で英検学習に取り組み英語力の向上を図り、ネイティブ教員とコミュニケーション体験を重視した取り組みを充実させています。また、ニュージーランドとオーストラリアの姉妹校やイギリス、アメリカへの海外語学研修を実施し、諸外国からの留学生を受け入れるなど、幅広い国際教育を実践しています。
 部活動も運動系、文化系の多くの部が活発、精力的、主体的に活動し、毎年全国大会に滋賀県代表として出場して、優秀な成績を収めています。
 生徒たちは、学校生活のなかで学習に部活動に意欲的に取り組み、生き生きと日々を過ごしています。ときに祈りの時間をもつことにより、心を落ち着け熟考することで、物事に集中することのできる高い精神性をもつ生徒が多いことは、本校の特長のひとつになっています。この精神性の獲得は、「愛」を教え育むカトリックの教えが根底にあるからです。
 教育環境では、300余名収容の聖堂・記念講堂、400名収容の階段教室、人工芝グラウンド、武道場など特色ある諸設備のほか、学習農場や体育館冷房なども整えています。
 祈り、心、そして毎日の授業や特別活動等の充実を基盤として、将来の自己実現、グローバルセンスの涵養など、特色ある教育内容と充実した施設環境により、本校は県内オンリーワンになるため、常に努力しています。

大切な幼児期の教育について

理事・園長 馬場 淳子

 幼児教育は、小学校入学までの3歳から5歳という大変重要な成長時期の教育です。それまでは、家庭のなかで保護者の愛情に守られて成長してきた幼児が、幼稚園では多数の同年代の幼児と関わり、感情や意思を伝え合い、協力して様々な活動に取り組むなど、多様な体験を通して成長していく場です。子どもたちにとって、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な時期にあたります。本園は、静かな環境とすばらしい新園舎のもとで、お友だちと仲良く共に成長することのできる楽しい幼稚園です。
 本園の教育内容は、文部科学省の「幼稚園教育要領」を踏まえて、「光泉カトリック幼稚園教育課程」を作成して教育を行っています。その内容は、園児の年齢に応じた心身の発達を踏まえて作成したカリキュラムです。さらに、本園の教育は日常生活の学びの時間や、遊びのなかで、カトリックの教えを踏まえて、「愛」の心を育むことを目指した教育を行っています。
 3歳児から5歳児にかけての心身の発達は、目を見張るものがあります。それは運動機能の発達だけでなく、言葉数も増えて、思っていることや、その時々に感じたことが言えるようになってきます。また、身近な人の気持ちと、自分の気持ちの折り合いがつけられるようにもなって、自制心や規範意識が芽生えてきます。その園児の成長を目指し、次の3つの教育目標を設定して幼児教育に取り組んでいます。

(1)カトリックの教えに基づいた人格形成
(2)人や社会との関わりをもつ力の育成
(3)「知育・徳育・体育」のバランスのとれた心身の発達

 これらの教育目標に沿って、本園では集団生活の中で人や社会への関わり方の感覚を養い、生涯にわたる人間形成の基礎を培うために、子どもの発達段階に応じた生活や遊びをとおして、カトリックの教えに基づいた、礼節ある心温かな人間の形成を目指しています。一方、製作や音感教育を通して豊かな芸術的感性を育て、園児たちの想像力や表現力を育成しています。「表現の力」の育成は、イタリアの幼児教育法を取り入れ表現の能力を育てています。「知的関心」などの知的教育は、漢字教育専門の絵本により、小学校高学年並みの漢字音読が出来るようになり、また数概念理解は、十進法を直感的に理解できる特別な大型の算盤を使って楽しみながら加減乗算を理解することで、脳活動の活性化を図っています。施設面では、1・2階のどの教室からも近く広くて天井の高い大型の遊戯室、広く開放的な園庭や屋外遊具など、のびのびと運動したりお友だちと交流したりできる環境が整っています。
 本園では、このように基本的な考え方、教育目標、施設環境の全てを構築、整備して、幼児教育、保育を推進しています。