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いじめに関する基本方針

いじめは、いじめを受けた生徒の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長および人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、広く子どもの人権を侵害する行為であるとともに、その生命または身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものである。

こうしたいじめから一人でも多くの生徒を救うためには、私たち教職員一人ひとりが、「いじめは絶対に許されない」、「いじめは卑怯な行為である」、「いじめはどの子どもにも、どの学校にも起こりうる」との意識を持ち、それぞれの役割と責任を自覚しなければならない。

ここに本校に「いじめ対策委員会」を常設し、本校におけるいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針として「学校いじめ防止基本方針」を策定し、当該基本方針に基づき、いじめの問題に組織的に取り組む意を明らかにするとともに、「隣人愛に満ちたあたたかな心」、「愛と正義と責任ある自由」のカトリック精神に基づく建学理念のもと、生徒の人格形成に向け、一層の努力を重ねることを決意する。

第1 いじめの防止等のための対策の基本的な方向に関する事項

1 いじめ防止等のための対策の基本的な考え方

いじめは、どの子どもにも、どの学校でも、起こりうるものであり、単に謝罪をもって安易に解消することはできないという認識のもと、「子どもの目線」に立ったいじめの把握と組織的かつ迅速な対応によりいじめを解消することが重要である。

このためいじめの問題への対応は、学校だけでなく社会における重要課題の一つと認識し、一人の教職員が抱え込むのではなく、学校が一丸となって組織的に対応するとともに、社会総がかりで取り組むため、関係機関や地域と積極的に連携することが重要である。

いじめの防止等のための対策は、全ての生徒が安心して学校生活を送り、様々な活動に取り組むことができるよう、学校の内外を問わず、いじめが行われなくなるようにすることを旨として行われなければならない。その際、生徒を尊重し、その声に耳を傾け、生徒の気持ちを理解しながら、その思いを聴き出すまで関わっていくことが重要である。

また、いじめの未然防止には、生徒自らがいじめの問題を自分のこととして捉え、考え、議論すること等の生徒自身による主体的な活動の中で、生徒自身の力でいじめの問題を解決できるよう支援していくことも重要である。

本校では、こうした「子どもの目線」に立って、子どもの最善の利益の実現を目指し、いじめの防止等のための対策を総合的に推進する。

(1) いじめの未然防止

いじめはどの子どもにも、どの学校でも、起こりうるものである。

このことを踏まえ、より根本的にいじめの問題を克服するためには、全ての生徒を対象としたいじめの未然防止の観点が重要である。

このため、本校では、全ての生徒を、心の通う対人関係を構築できるようはぐくみ、いじめを生まない環境をつくるために、地域、家庭その他の関係者と一体となって継続的な取組を進める。

また、教育活動全体を通じ、全ての生徒に「いじめは決して許されない」ことや、傍観者とならず、いじめを止めさせるための行動をとることの重要性を理解させるとともに、豊かな情操や規範意識、自尊感情や自己有用感、社会性、人を思いやる心などをはぐくむ。

さらに、生徒が豊かな人間関係をつくることができるよう、生徒一人ひとりに、あらゆる教育活動を通じて、相手の気持ちを理解できる心の育成を図るとともに、生徒が人権の意義や人権問題について正しく理解し、自分と他者の人権をともに大切にし、実践的な態度を身につけられるよう努める。

また、生徒自らがいじめの問題を自分のこととして捉え、考え、議論する活動や校内でいじめ撲滅や命の大切さを呼びかける活動等、生徒自身の主体的な活動を進め、生徒自らがいじめの未然防止に取り組み、全ての生徒にとって居心地のいい学級・学校づくりを推進する。

(2) いじめの早期発見

いじめは、大人からは見えにくく、また、事実認定が難しいものである。しかしながら、いじめを見逃してしまうと、より深刻な状況を招いてしまう。

いじめの早期発見は、いじめへの迅速な対処の前提であることから、全ての大人が連携し、生徒のささいな変化に気づく力を高めることが必要である。

このため、本校では、日頃から生徒の様子をしっかりと見守り、わずかな兆候であっても、いじめではないかとの疑いを持って、速やかに的確な関わりを持ち、いじめを隠そうとすることなく、また、いじめを軽視せず積極的に認知することが大切である。この際、個々の行為がいじめに当たるか否かの判断は、表面的・形式的にすることなく、いじめを受けた生徒の立場に立って行う。

また、教職員間や学校と保護者との間の情報共有を緊密にし、生徒の状況をきめ細かに把握するよう努める。さらに、生徒にとって、いじめられていることは周りに相談しにくいものであるだけに、生徒が安心して相談できるよう、教職員は、日頃から積極的に生徒に声かけをするなど、生徒との信頼関係を築くとともに、学校として、定期的な調査や教育相談の実施、相談機関の周知等により、いじめを訴えやすい体制や環境を整える。

加えて、より多くの大人が生徒の悩みや相談を受け止めるため、地域、家庭が組織的に連携・協働する体制を学校が中心となって構築する。

(3) いじめへの対処

生徒からいじめの相談を受けた段階、あるいは、いじめがあることが確認された段階では、すでに深刻な状況にあるとの認識に立ち、直ちに対処する必要がある。

このため、本校では、いじめを受けた生徒やいじめを知らせてきた生徒の安全を確保しつつ、「いじめ対策委員会」において直ちに対処する。

この際、いじめを受けた生徒の立場に配慮しつつ、関連する生徒から事情を確認するとともに、専門家と連携し、適切な支援に努める。

また、家庭や県総務課への報告・連絡を行い、緊密な連携を図る。

加えて、いじめを行った児童生徒に対して必要な教育上の指導を行っているにもかかわらず、その指導により十分な効果を上げることが困難な場合などには、必要に応じて、福祉、医療、司法、警察等の関係機関と適切な連携を図ることとする。

このため、平素から全ての教員の間で、いじめを把握した場合の対処のあり方について共通理解を図るとともに、迅速かつ的確に対処できるよう、関係機関との連携に努め、情報共有する体制を構築する。

いじめは、単に謝罪をもって安易に解消とすることはできない。いじめが「解消している状態」とは、少なくとも次の2つの要件が満たされている必要がある。

  • ① いじめが止んでいる状態が相当の期間(少なくとも3か月を目安とする)継続していること。
  • ② いじめの行為により心身の苦痛を感じていないかどうかを被害児童生徒本人および保護者に対し、面談等により確認できていること。

なお、いじめが解消している状態とは、あくまで、一つの段階に過ぎず、解消している状態に至った場合でも、いじめが再発する可能性が十分にあり得ることを踏まえ、教職員は、当該いじめの被害生徒および加害生徒を日常的に注意深く見守る必要がある。

2 いじめ対策委員会の設置

本校では、いじめの防止等に関する措置を実効的に行うため、法第22条に規定される組織として「いじめ対策委員会」を常設する。
その役割等については、以下のとおりである。

(1)役割

  • ア)いじめの防止等の取組の年間計画を作成する
  • イ)いじめの防止等の取組について、全ての教職員間で共通理解を図る
  • ウ)いじめの防止等の取組の実施、進捗状況の確認を行う
  • エ)生徒や保護者、地域に対し、いじめの防止等の取組についての情報発信やいじめに関する意識啓発のための取組を行う
  • オ)いじめの疑いや生徒の問題行動などに関する情報の収集と記録、共有を行う
  • カ)いじめの疑いに関する情報があった時には緊急会議を開催し、いじめの情報の迅速な共有を図り、教職員や関係のある児童生徒等への事実関係の聴取、児童生徒に対する支援・指導の体制・対応方針の決定と保護者との連携等の対応を行う
  • キ)いじめとして対応すべき事案か否かの判断を行う
  • ク)重大事態に係る調査の母体となり調査を行う
  • ケ)PDCAサイクルに基づき、毎年度、いじめの防止等の取組の検証を行うとともに、その結果等を勘案して、必要に応じて学校いじめ防止基本方針の見直しを行う

(2)構成員

いじめ対策委員会の構成員は、管理職、教務部長、生徒指導部長、教育相談担当の主任、人権教育担当の主任、生徒会担当の主任、学年主任、養護教諭、特別支援教育コーディネーター、スクールカウンセラーとする。
なお、個々の事案に応じて、関係の深い教職員を追加する。
また、事案の性質等、必要に応じて、心理や福祉の専門家、弁護士、医師、警察官・教員経験者など外部専門家の参加を得ることとする。

(3)関係する委員会等との連携

いじめの防止等の取組の実施に当たっては、生徒指導委員会、教育相談会議、人権教育委員会等と役割分担し、連携して取り組む。

第2 いじめの防止等のための対策の内容に関する事項

(1) いじめの防止のための取組

ア)いじめについての共通理解

  • いじめの原因・背景、いじめを把握した場合の対処のあり方や具体的な指導上の留意点などについて、校内研修や職員会議で周知徹底し、共通理解を図る。
  • 校内研修の実施に当たっては、心理の専門家であるスクールカウンセラーの活用を推進する。
  • 教育相談会議を中心とし、障害に対する教員の理解不足が児童生徒の偏見につながり、いじめを生み出す契機となるようなことがないよう特別な支援を必要とする児童生徒の理解を図る研修を推進する。
  • 平素から、教職員が相互に積極的に生徒についての情報を共有する。
  • 全校集会やホームルーム活動、スクールアワー等を通じて、教員がいじめの問題について触れ、学校全体に「いじめは人間として絶対に許されない」という意識を醸成する。
  • イ)いじめに向かわない態度・能力の育成

    • 教育活動全体を通じた道徳教育や人権教育および体験活動の充実を図り、社会性や規範意識、思いやりなどの豊かな心を育むとともに、人権を尊重する実践的態度を養う。
    • 生徒が自他の意見の相違があっても、互いを認め合いながら建設的に調整し、解決していける力や円滑に他者とのコミュニケーションを図るための能力の育成に努める。

    ウ)いじめが行われないための指導上の留意点

    • 生徒一人ひとりを大切にした分かりやすい授業づくりに努める。
    • 人間関係を把握して、児童生徒一人ひとりが活躍できる集団づくりに努める。
    • 教職員の不適切な認識や言動が、児童生徒を傷つけたり、他の児童生徒によるいじめを助長したりすることのないよう、指導のあり方には細心の注意を払う。

    エ)児童生徒の自己有用感や自己肯定感の育成

    • 家庭や地域の人々などにも協力を求め、教育活動全体を通じて、全ての生徒が活躍でき、自己有用感を高められる機会の設定に努める。
    • 自己肯定感を高めるため、困難な状況を乗り越えるような体験の機会の設定に努める。

    オ)児童生徒自らがいじめについて学び、取り組む環境づくり

    • 生徒会等の活動により、児童生徒自らがいじめの問題について学び、主体的に考え、いじめの防止を呼びかけるような取組を推進する。
    • 教員は、全ての生徒が、主体的な活動の意義を理解し、自主的・積極的に活動に参加するよう指導・支援する。

    カ)家庭や地域との連携

    • いじめの防止等の取組の年間計画の作成や実施に当たり、保護者や生徒の代表、地域住民などの意見が反映するよう工夫する。
    • 家庭や地域に対して、いじめ問題に取り組むことの重要性について啓発するとともに、家庭訪問、地域懇談会や学校通信などを通じて家庭や地域との緊密な連携・協力を図る。
    • 学校評議員会の場をはじめ、学校、教育協力会、地域の関係団体等がいじめの問題について協議する機会を設けることに努める。

    (2) いじめの早期発見のための取組

    • 日常的に児童生徒に声かけをするなど、生徒との信頼関係を深め、安心して相談できる体制づくりに努める。
    • 休み時間など、学校生活の様々な場面を通じて生徒の様子を把握するよう努める。
    • 定期的に、また、必要に応じて、個人面談などの教育相談を実施する。
    • 養護教諭を中心とするなどにより、教職員間の情報共有に日頃から努める。
    • 定期的なアンケート調査を実施する。
    • 家庭訪問等を活用して、保護者との緊密な連携に努める。
    • 保健室や相談室の利用、電話相談窓口について周知する。

    (3) いじめへの対処

    ア)いじめの発見・通報を受けた時の対応

    • 遊びや悪ふざけなど、いじめと疑われる行為を発見した場合には、その場でその行為を制止する。
    • 生徒や保護者から「いじめではないか」との相談や訴えがあった場合には、いじめを受けたとする生徒の立場に立って、真摯に傾聴し、いじめを受けた生徒やいじめを知らせてきた生徒の安全を確保する。
    • 発見・通報を受けた教職員は、直ちにいじめ対策委員会に報告する。
    • 報告を受けたいじめ対策委員会は、その情報を共有、記録し、直ちに関係生徒から事情を聴き取り、いじめの事実の有無を確認する。
    • 事実確認の結果は、校長が速やかに総務課に報告し、緊密な連携を図る。
    • 教職員全員の共通理解の下、関係の保護者の協力を得て対応する。
    • いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものと認めるときは、いじめられている生徒を徹底して守り通すという観点から、所轄警察署と相談して対処する。
    • 生徒の生命、身体または財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは、直ちに所轄警察署に通報し、適切に援助を求める。

    イ)いじめを受けた生徒またはその保護者への支援

    • いじめを受けた生徒の立場に立って受容的に事実関係を聴取する。
    • 家庭訪問等により、発覚した当日のうちにいじめを受けた生徒の保護者に事実関係を伝える。
    • 複数の教職員で当該生徒を見守る。
    • 教職員、家族、親しい友人等、いじめを受けた生徒にとって信頼できる人と連携し、いじめを受けた生徒に寄り添い支える体制をつくる。
    • 必要に応じて、いじめを行った生徒を別室指導とする等、いじめを受けた生徒等が落ち着いて教育を受けられる環境の確保を図る。
    • 状況に応じて、スクールカウンセラー、警察官・教員経験者など外部専門家に協力を依頼する。
    • いじめが解決したと思われる場合においても継続した見守り等の支援を行う。
    • 聴き取り等によって判明した事実は、適切にいじめを受けた生徒の保護者に提供する。

    ウ)いじめを行った生徒への指導またはその保護者への助言

    • いじめを行った生徒から、複数の教職員で事実関係を聴取する。
    • いじめを行った生徒が抱える問題など、いじめの背景にも目を向け、当該生徒の安心・安全、健全な人格の発達に配慮する。
    • いじめは人格を傷つけ、生命、身体または財産を脅かす行為であることを理解させるとともに、自らの行為の責任を自覚させる。
    • いじめを行った生徒の保護者への連絡を迅速に行い、協力して対応に当たる。
    • 状況に応じて、スクールカウンセラー、警察官・教員経験者など外部専門家に協力を依頼する。
    • 生徒のプライバシーに十分留意して対応する。
    • 孤立感・疎外感を与えないよう、教育的配慮の下、個々の状況に応じた指導計画による指導を行う。
    • 警察との連携による措置も含め、毅然とした対応をする。
    • 教育上必要と認めるときは、生徒に対して、学校教育法第11条の規定に基づく懲戒を加えたり、特別指導を行ったりする等、適切な指導を行う。

    エ)いじめが起きた集団への働きかけ

    • いじめを見ていた生徒に対しても、十分に聴き取りをしたうえで、自分の問題として捉えさせる。
    • いじめをやめさせることはできなくても誰かに知らせる勇気を持つよう指導する。
    • はやしたてるなどの行為は、いじめに加担する行為であることを理解させる。
    • 学級全体で話し合いの場面を設定するなどして、いじめは絶対に許されない行為であることを徹底し、防止に努めようとする態度を育てる。
    • 全ての生徒が、互いを尊重し、認め合う人間関係を構築できるよう集団づくりを進める。
    • 必要に応じ、学級・学年・学校単位での保護者会を開催し、いじめの事実と学校の方針や対応について説明し、理解と協力を求める。
    • 学級の進んだ取組を学年や学校全体に広げ、再発防止に努める。

    (4) インターネット上のいじめへの対応

    ア)インターネット上のいじめの防止、早期発見のための取組等

    • 教員間で、インターネットを通じて行われるいじめの現状や危険性および効果的な対処に関する研修を実施し、対応力を高める。
    • 生徒や保護者に対し、インターネット上の人権侵害情報に関する相談の受付など、関係機関の取組を周知する。
    • 生徒に対し、情報モラルや情報リテラシーに関する教育を推進する。
    • 保護者に対して、インターネット上のいじめについての理解を促す。

    イ)インターネット上のいじめへの対処

    • 生徒の生命、身体または財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは、直ちに所轄警察署に通報して連携し、必要に応じて法務局に協力を要請する。

    (5) その他

    ア)校務の効率化

    • 一部の教職員に過重な負担がかからないよう校務分掌を適正化し、組織体制を整えるなどして、校務の効率化を図る。

    イ)学校評価

    • いじめの実態把握や適切な対応が促されるように目標を設定し、評価を行い、その結果を公表するとともに、改善に取り組む。

    ウ)教職員への評価

    • 日頃からの児童生徒理解の状況、いじめの防止等に関する個々の取組や組織的な取組等が評価されるようにする。

    第3 その他いじめの防止等のための対策に関する重要事項

    (1) 基本方針、年間計画の見直し

    策定した学校基本方針や年間計画は、PDCAサイクルに基づき、毎年度見直す。

    (2) 基本方針、年間計画の公開

    策定した学校基本方針や年間計画は、学校のホームページなどで公開する。